探偵日記 「会話」

2003年5月21日
今度はBに近づいた。
私はネットでのハンドルネームを「あけち」(仮名)とした。

Bは素の彼女近い存在だ。
正直、ネットでは面白みのない女性だ。
姿が見えない分、普通の主婦では誰も相手をしてくれないのだろうか?
彼女の容姿を見れば、誰もほっとかないだろうなと思いながら、話しかけてみた。

CHATでの会話は味気ないが、私には彼女の姿がモニタ越しに見える気がし、不思議な感覚に落ちた。
私自身がCHAT慣れしていないこともあり、彼女にリードされるような形ではあったが、CHAT部屋でのそれなり会話は成立した。
私の存在「あけち」は彼女に認知されることとなった。
これからどのようにして情報を収集するか、正直なところ、まだ決めていない。

悩み相談風に会話を進めていく方法もあるが、
俺達はもう大人だ。
そう簡単に自分の素の心を語る年でもない。。。

なんだか、疲れた。。。。

探偵日記 「接近」

2003年5月20日
データの解析はうまくいかなかった。
というより、何もなかった。

私は無駄な時間に徒労を感じた。
ここは直接彼女に近づくことにした。

彼女の出入りするCHATサイトで、彼女は2つのハンドルネームを持っていた。
ひとつは20代前半の独身女性「A」、もうひとつは実年齢で既婚女性「B」、うまく使い分けていた。

私はとりあえず、Aに近づいた。

Aは常設CHATルームの常連で、開けっぴろげなエロ話する大胆な女性だった。
さすがにここには書けないような言葉を連発し、普段の彼女とは想像できない、自由奔放な女性だ。
当然、「ヤレル」と早合点する若い男性が取り巻き、さながら姉御のような存在だった。
私は遠巻きに彼女を観察したが、特定の友人と親しげな感じはなかった。また、他のメンバーにもそれとなく聞いたが、浮いた話は無さそうだ。
とりあえず、ここのサイトは継続調査を続けることにしたが、正直、エロでバカな話に付き合うことに嫌気がさしていた。
彼女は何が楽しいのだろう?
やっと彼女の不在を確認でき、回収に成功した。

いくつかのCHAT系のコミュニティーやYahooのメッセンジャーをしていることがわかった。

個人情報保護の機能の為、見える部分は大してないが、彼女のハンドルネームや大体の出入りするサイトはおおよそ掴んだ。
解析が進めば、パスワードも取れるかもしれない。

最初は気乗りのしない作業だったが、他人の秘密を覗くような感覚が生まれた自分に驚きを感じた。

早く、これから開放されたい。
パソコンのインターネット利用の履歴は遠隔で取得できなないが、固定電話の通話記録は遠隔操作で取得できた。

しかし、何の成果もなかった。
通話記録の番号は全て彼にメールで送ったが、その中身はご近所と知人だけであった。

ひとつ送信元不明の番号があったが、その時間は彼も在宅していて、セールスの電話だったようだ。
彼女の不在時を狙った時間を作ってインターネット利用の履歴を回収しないといけない。
今後、このようなことを続けないといけないことに、大きな疲れを感じた。

探偵日記 「準備」

2003年5月13日
とりあえず、調査の方法を考えた。
彼女の浮気相手との連絡方法だが、携帯電話、携帯メール、固定電話、パソコン、と考えられる。
携帯電話に関しては、通話記録の明細があるらしいので、私の調査範囲外である。
固定電話は明細を取っていないらしい。
彼が「明細を取ろうか」と聞いてきたので、そのままの状態にしてほしい旨を伝えた。
ISDNルータの一部の機種では、通話記録を取ることが可能なのである。
私はその機能を利用して通話履歴を取る方法にした。私は彼女が不在のおりを見計らって、彼とルータの設定をした。


パソコンを使ったインターネット接続に関しての盗聴を行う方法だが、一番手っ取り早いのは、彼女のパソコンに何らかの仕掛けを仕込むことであるが、残念ながら彼女は昔パソコンのインストラクターであった経歴を考慮すると発覚する危険性がある。
ルータでできることにも限界がある。
私は後のデータ処理が面倒ではあるが、プロトコルアナライザーを使うことにした。
通常、プロトコルアナライザーは社内LANのネットワークの調査などに使うTOOLだが、メール、HPの履歴もしっかり取れる。
私は小型のパソコンにこれをインストールし、彼に渡し、疑われないように、
「インターネットの速度があがるTOOLのモニタ調査で終了後アンケートに答えてほしい」と言うように指示した。

これで、準備は終了した。

探偵日記 「依頼」

2003年5月12日
数日が過ぎて、彼から連絡があり、どうしても調べて欲しいと依頼があった。
私は中々乗り気なれないことでもあるので、大した結果がでないことでもいいかと念を押し、引き受けることとなった。

彼の妻とは、会って話したこともあり、30代の女性とは思えない若々しい容姿をしていた。
小柄で顔も童顔で、肌がキメが細かい、どちらかというと、可愛らしい女性だった。
性格も明るく優しく、いつも上品な服装だった。
なんでも、実家はそれなりに金をもっているらしい。
結婚前に紹介された時は、非常に羨望を感じた。

その連れ合いの彼は中年太りの冴えない容姿で、お世辞にも有能なビジネスマンとは言い難かった。お酒の席でも、「オレにはもったいない妻だ」と自分で言うくらいなのだから、自分でも理解しているのだろう。
友人に頼まれて、友人の妻の浮気調査をすることになった。
私は興信所に勤める者ではないし、尾行など難しいことを伝えたが、どうも友人の感触では、インターネット中毒の様子から、ネット上で知り合ったような気がするので、パソコンで何をしているのか、調べてほしいとのことだった。

いくら友人の頼みといえ、気の進まない話であったが、彼の様子からムゲに断ることもできず、考えておくと言葉を濁し、その場を去った。

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